42000人。これが今年の中学受験生の数であるという推計がだされています。首都圏の私立中高一貫校の定員の総数はだいたい40000人ですから、受験生の数が減る傾向であったここ数年に比べると、受験生にとっては、厳しい入試になりました。
私立学校側にたって考えれば、受験生を選抜する側に立てるのですから、定員も確保して、なおかつ生徒の質も担保でき、これからの教育改革の大きな波を乗り切る条件が1つ増えたとほっと一息ついているところかもしれません。
しかし、実情はかなり違うようです。首都圏の私立中学校の受験は、1月に埼玉、千葉から始まります。東京、神奈川の受験生も、2月1日から始まる本番に備えて、「試し受験」と称して、1月中に受験をします。逆に2月1日から始まる東京や神奈川の受験には、埼玉と千葉の受験生が参加します。1人の受験生が複数回受験をするチャンスがあるわけです。1人で10校受験するケースもあります。もちろん、多くの場合、受験するのは、4校ぐらいでしょうが。延べ160000人以上の受験生が、約1ヶ月の間、首都圏を大移動しながら受験しているというのが、中学入試です。なるほどこの時期、朝7時前後の電車で、緊張した表情のお母さんと小学生によく出会うはずです。
緊張が走るのは受験生のご家族ばかりではありません。私立中学校側も大変なのです。1人の受験生が複数校を受験すると、いくつか合格を勝ち得ます。受験生にとっては、どの学校を選ぶかとても幸せな瞬間を迎えます。しかし、進学する学校は1つです。
私立学校側にしてみれば、自分のところが選択されるかどうかどきどきものです。そして実際には、合格を出しても入学手続きをしない受験生が必ずでてくるのです。開成や桜蔭ですらそうなのです。もしも私立学校が、定員の数どおり合格発表をしたとすると、定員割れになるのです。だから、どの私立学校も定員よりも多く合格者を出すのです。
しかし、どれくらい合格者数を出したらよいのか、その読みは大変難しく、どの私立学校も悩みます。辞退者を予想し、定員割れを防ぐためにどうしても多めに合格者を出さなければならないわけですが、あまり出しすぎると、誰でも受かるということになりますから、偏差値が下がります。すると次の年から、受験学力が高い生徒が他校を受験し、予想とは異なる学力の生徒がどっと受験しにやってきます。一度この流れができると、なかなかその循環から脱するのは難しいので、学校経営者側は必死になって生徒獲得戦略を立て、実施します。受験の応募者が多いところでも、判断を誤れば、どうなるかわからないというのが私立中学受験なのです。
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