まるでモダンなミュージアム
田園都市線溝の口駅から徒歩8分。幼稚園から大学院まで一体となった広いキャンパスがあります。球形のオブジェが校門を飾り、
茶色のレンガに囲まれた校舎は美術館を思わせるほどのモダンな外観です。校舎に一歩踏み入れると、まず空間の広さに驚かされま
す。
高い天井からルーパーを通して優しい光が降り注ぎ、白を基調とした斬新なデザインが引き立って見えました。無機質な壁に対
して、磨き上げられた木目の床が温かさを感じさせます。学校というイメージを一新させてくれる校舎に思わず溜息が出ました。
3年前に建てられたばかりという新校舎。ここでの学園生活に自ずと期待が膨らみます。
音楽に溢れた環境
説明会前には、洗足学園音楽大学の学生による弦楽四重奏のミニ・コンサートが行なわれました。1000人程収容できるこの
大講堂では、度々コンサートなどが催されているそうです。同じキャンパス内に高校音楽科ならびに音楽学部があるため、音楽環
境は特に恵まれているようです。放課後には自由選択の音楽講座があり、大学の教授による本格的なレッスンも受けられるとのこと。
また、この音楽教育環境を生かして、生徒全員が生涯親しんでいける楽器をもつという指導が本年度からスタートしたのも独特です。
卒業までに全員で一曲マスターし、記念演奏の実現を目指しているそうです。学力だけではなくプラスαの感性も磨けるのではない
でしょうか。
補習や講座も充実
説明会では、「限りなき挑戦」と題して前田校長先生からお話がありました。「限りなき挑戦」は洗足学園の本年度のキャッチフレー
ズで、学校改革には終わりはなく現在も進行中とのこと。素晴らしい施設や設備だけに目が向いてしまいがちですが、それだけではなく、
第一に授業そして教師の生徒との関わり方など、教育の中身の充実に力を尽くしているそうです。人的環境や教育システムの前進で生徒
の学力も確実に向上していますが、まだまだ課題も多いと謙虚に構えており、学校全体の向上心を覗うことができました。
洗足学園では「社会に有為な女性を育てる」ことを教育目標にしており、大学進学はその先の「進路」へ向かうステップという考えで、
センター試験で8割とれる授業を行なっているそうです。自ら学ぶ習慣を身に付けさせるため、1・2年生では宿題や小テストも多いと
のこと。小テストは最低点80点をクリアしなければならず、また定期試験の結果1〜3年生では指名補習もある徹底ぶり。数学・英語
では習熟度別授業を展開。「落ちこぼれ」ではなく「落ちこぼし」をつくらないために様々な工夫がなされ、面倒見のいい学校だと感じ
ました。放課後には、中学段階では英語中心に、高校段階から受験教科に対応した教科別の講座が開設されて、学習意欲のある生徒に対
して実践的な学習も行なわれています。その他に長期の休みには講習や合宿など充実した支援体制が整っており、学力の定着には期待が
持てそうです。学習面での自立から、9割近い新入生がクラブ活動に励んでいるとのこと。競技性よりも生涯性のあるクラブが多く、学
園生活を楽しんでいることがわかります。
終始にこやかでユーモアを交えた校長先生の話は1時間近くあったでしょうか。失敗談やマイナス面の話もありましたが、それらをあから
さまにしているところに親近感を覚えました。常に等身大の生徒の姿を語っており、温かく見守っている先生方の姿勢を感じることができ
ました。
たぐいまれな教育空間の豊かさに驚き
「施設・設備は一つの教材」というだけあり、説明会後の校内見学が一番の楽しみでした。およそ20のグループに分かれ、それぞれに
担当の先生が付き案内してくれました。個別相談も同時に行なわれ、授業のある平日にもかかわらず、この学校を支えているスタッフの多
さには驚きです。先生方はみな落ち着いた印象で、生徒をしっかりと受けとめてくれる包容力を感じさせます。
この学校の一等席はガラス張りの図書館だそうです。玄関から階段を上った真正面にあり、ここの天井もルーパーによる光の調節ができ、
自然光が降り注ぐ明るい空間です。i―Macが25台設置され、調べ学習に活用されています。職員室の隣には60席の自習室があり、
朝から下校時間まで開放しているそうです。300人収容できる広いカフェテリアは生徒に一番人気。卒業生から記念品として贈られた
テーブルと椅子が置かれたオープンカフェもお洒落です。「コンコルド」のパンやケーキも売られて、生徒の憩いの場になっています。
これらの場所では、自主的に学ぶ生徒の姿が多く見られるそうです。案内してくださった先生の話によると、面白いことに次第に席が固
定化してくるのだそうです。
大講堂の他に一学年分の生徒を収容できる小講堂。水はけの良い人工芝の校庭。大体育館の他に鏡張りで床暖房完備のダンスホール。
ここでは百人一首大会なども開かれるそうです。窓をなくし音が中心に集まるように設計された音楽室。調理と試食のスペースが分かれ
ている調理室。一人一台のミシンがある被服室。被服室では、スウェーデン刺繍の授業の最中でした。情報科の授業や進学指導のために
家庭科の授業が軽視されがちですが、ほっとする場面を見ることができました。もちろん、ノート型パソコン45台を設置したパソコン
室もあり、刺繍の図案は一人一人がパソコンを使って作成したものでした。
教室にある机や椅子は全て同サイズの輸入物で、一回り大きくゆったりした感じでした。廊下には一人一人のロッカー、少人数授業のた
めの小さい教室も各学年のフロアに設置されるほどの充実ぶり。スロープやエレベーターもあり、バリアフリーにも対応しています。
施設・設備と理想的な教育環境が整った洗足学園。恵まれた環境は心にゆとりをもたらすに違いありません。教育の中身も充実しており、
確かな進学実績へと結びついています。まだ進行中だという学校改革の行方も目が離せません。
|