キャンパスの様子
江古田から駅前商店街を歩いて7分ほど、うっそうとした木々の生い茂る広い敷地に
武蔵中・高・大学はありました。構内の樹木は、武蔵野の面影を残した、創立当時を想像
させる立派さでした。小川が流れ、居ながらにして森林浴といった趣です。「生徒のプラ
イベートスペース」とのことで、残念ながら校舎内には入れませんでしたが、中庭をか
こんで教室が配置された、すなわち教室の黒板に向かって右側、左側とも窓が外に面した、
風通しのいい造りとなっているようです。都心に近いながら、これだけ緑豊かな、広いキャ
ンパスは貴重です。
出会った生徒たち
指定の制服、かばん、上履きや体育着もないそうです。生徒たちはTシャツに綿パンといった、
学生として好感の持てる服装をしていました。校則がない学校ということで、例えば渋谷を歩く
男の子たちのようなルーズな姿を想像していましたが、そのようなだらしない子はいませんでした。
限られた人数しか出会っていませんが、茶髪も一人もいなかったのは正直言って意外でした。
校長先生のお話
1928年落成の武蔵の歴史とともにある重厚な講堂で、古いシャンデリアの照らす下で、
歴代の校長先生の肖像画に囲まれて説明会が行われました。校長先生は現役で教壇に立って
おられ(生物)、教育に対する情熱が溢れている方でした。学者らしい真摯な面差しと、さりげ
なくユーモアのある口調に、温かで豊かなお人柄を感じました。知的な好奇心に満ちた生徒、
人から与えられる教育だけでなく、自分から掴み取りに来る生徒が欲しいとのことでした。
また、「武蔵の三理想」の中から、「自調自考」(自ら調べ、自ら考える)について、服装を例にあ
げて説明してくださいました。武蔵には制限はありません。心、身体、頭を鍛える学校にふさ
わしい服装とは何か、生徒に考えさせるそうです。「こうしろ」と命令はしません。生徒一人一人
を個人として尊重する、根本的な考え方が貫かれていることを感じます。
各教科の主任の先生方も、実に楽しそうにお話してくださいました。どの先生も、「考えること。
考えた事を表現すること」を大切にして、少人数授業や分割授業を積極的に取り入れているそうです。
ただ大学受験を目標にして教科書に沿って一通り教えるのではなく、学問することの楽しさを生徒たちと
共有したいという情熱溢れるそれぞれの先生方は、他のどんな学校の先生方よりも際立って個性的であると感じました。
武蔵には修学旅行がないと聞いていましたが、泊まりがけで行く校外学習は山上学校、地学巡検、
天文実習など豊富にあり、それも生徒が自分で下調べをして計画を立て実行するものばかりの様です。
どんな遠い所でも、現地集合、解散がほとんどというのも、生徒の自主性、自立を重んじているのでしょう。
その他行事、記念祭(文化祭)、体育祭なども生徒の小委員会が企画運営するそうで、こうした経験が
自分の血となり肉となって豊かな人間性が培われるのでしょう。
入試について
入試の答案には、名前は記入せず、受験番号しか書かせないそうです。そして採点の際には
その受験番号ですら見えない状態にして採点するそうです。「情実を排するため」ということでした。
受験生の努力に対する最大の賛辞だと感じ入りました。
説明会に参加して
生徒一人一人をしっかりと見つめ、より良い人生を送るため、知的好奇心を大切にする、それが武蔵
であると感じました。その教育の成果が、最難関大学の合格者数に現れているに相違ありません。
武蔵で得た友はきっと一生の友となるでしょう。親として、わが子を入学させたい中学ナンバーワン、
それが武蔵中学でした。
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